店舗・商業空間デザイン展講演レポver.2 ブランドイメージを打ち出すカフェの空間づくり①

こんにちは!

デザイン営業部の酒井です。

前回に引き続き、店舗・商業空間デザイン展講演レポver.2 。

「ブランドイメージを打ち出すカフェの空間づくり」というテーマの行われました。

*前回の記事は下記リンクよりご覧下さい。

今回は月間商店建築の編集長塩田健一氏の声かけにより、

Puddle株式会社代表の加藤匡毅氏と株式会社ウェルカム代表の横川 正紀氏の対談が実現しました。

今回のイベントはビックサイト東棟にて複数のテーマの企画展が同時開催され、複数の講演会が開催されています。そんな中でも一番最初に予約殺到したのがこの講演。当日の席もほぼ満席といういろんな人から注目を集める講演会がスタートしました。

今回のテーマを決めた理由を塩田氏から解説。

月刊商店建築で人気の特集は1位がカフェで、2位がホテル。

そのなかでも特にカフェはgood design cafe という増刊号が2冊出てどちらも好評という注目度!

もうひとつ、商店建築がどの店を載せるかの選考基準として大切にしている2つのポイントがあり、ひとつは「空間デザインが、ブランド・サービスを表現できているか。」

ふたつめは「その店ができて、町にどれくらい良い影響を与えているか。」という視点を大切にして紹介している。この2つに当てはまるカフェを運営する人物として、

DEAN & DELUCAなど人気でブランド力のある店を経営する横川氏に声をかけ、

加藤氏の推薦によりPuddleの加藤氏との対談が決まったのです。

では、この二人のつながりはなんなのか?!

それは、来年春に日比谷でオープン予定の店をPuddleにデザインしてもらっているから!

そんな最新情報も盛り込んだわくわくする情報を聞きながら、

まずは横川氏のトークタイムが始まりました。


株式会社ウェルカムは創業17年になる会社。

「あたらしい日本のくらし方」の創造集団であると横川氏は語ります。

横川氏自身美術大学出身で、建築を学んでいく中でそこにいる人、起こることに興味を持つと同時に、大学ではその内容を教わらないことに疑問を抱き、「そこにいる人、起こること」にフォーカスした卒業制作を行った。それを見た有名な建築家から言われたコメントが「建築をやめて、あなたが建築を発注数する側になったらいい」。学生の時に言われたそのアドバイスが、今実現していると言います。

”くらしの本質は食から始まる”、そう確信する思いもあり、アメリカ発のブランドDEAN&DELUCAジャパンの設立や、もともとCIBONEを開く予定だったテナントを3.11の震災を機にスタッフと大工が図面なしで模型と自分たちの感覚を頼りにDIYで作った店 TODAY'S SPECIALなどを運営。いくつもブランドがある中、それぞれのブランドで新しいデザイナーを起用するのは、「誰と大切な新しい事業を作り上げるか」が重要であると感じていて、社内の設計部とデザイナーと店を作り上げ、多店舗展開していくときにはデザイナーに監修という立ち位置になってもらう。それは、自分たちにフィットする店を作るためなのです。


○DEAN&DELUCA

「DEAN&DELUCAは軸がぶれない。それを尊敬している。」そう横川氏は語ります。

創業者の一人である高校教師だったジョルジオ・デルーカは、高校の3年間で”そのひとらしさ”を伝えたり道をよくすることの難しさを感じていたそうです。デルーカの父はイタリア食材のブローカーであり自宅の食卓にはパルミジャーノチーズをブロックからけずって食べるような食事を囲みます。しかし当時のアメリカはまさに高度経済成長期。友人の家に行くとインスタントの料理が当たり前のような生活で、周りとの違和感を感じます。「自分の食べているものが、人を幸せにする」。そんな確固たる思いをもったデルーカは、出版の仕事をしていたディーンと共に、アメリカのSoHoの町にチーズを開きます。

『Food is the hero.(食が主役)』そこに向かい、世界の村にある、作り手の近くにある活気ある市場を都心に持ってきたマーケットストアを作る!それが、DEAN&DELUCAです。

DEAN&DELUCAのロゴは商標登録が取れません。それはみんながパソコンで使えるCopperplate Gothicをあえて使っているから。手を加えなくても、それで完成している。あえてロゴとして手を加えることをしないのは創業からの精神がこもっているから。

売り場も無垢材や大理石、削りっぱなしの木の板など素材そのままを使用したり、商品に合わせて棚を作ることはせず、ものが棚に合わせればいい。お店の空間は作りすぎず”色の器”として遜色のない場である、そんな作り方なのです。

(写真はDEAN&DELUCA HPより引用。六本木店)

○ウェルカムの店づくり

お店を作る時、2~3年で変わる物件ではなく、長く続く「店の顔になる店を」と意識します。社内ではよく「店づくりは町づくり」といい、「この店があるからこの町に住もう。」そう思ってくれたら最高!そんなモチベーションで店作りをしていきます。

例えば以前このブログでもご紹介したTHE ARTIZAN TABLEは、DEAN&DELUCAのゲストハウスのイメージ。トップクラスのレストランの料理長の資格を持つような料理人たちの次の場であり、2週に1度メニューを変えるような取り組みに挑戦し、季節を楽しむ場です。空間のキーワードは上質なドレスダウン。上質な料理とおもてなしと、緊張しすぎない静かにどっしりとした落ち着く良い空間。それを大切にした店づくりです。

以前ARTISAN TABLEを訪問した時の記事は下記リンクよりご覧下さい。

○来春オープン!GOOD CHEESE GOOD PIZZA(仮称)

北海道十勝に、水牛モッツァレラの作り手がいる。その作り手ありきの、できたてのチーズとそのチーズを使ったピザの店を日比谷にオープンに向けて動いています。

この店のコンセプトは、

”SPACE COMPLEATED WITH PEOPLE!(人が入った時こそ映える店に!)”

イメージ写真は元映画館の空間をリノベーションしたレストランにたくさんの人が集う写真。空間に関わる職人の仕事や素材がわかる仕上げを大切にするプランを組み立てているそうです。

この場所はなによりチーズ職人ありき。空間は媒体なので、この中でづくり、モノづくり、コミュニケーションをできるように作る、そうPuddleの加藤さんも語ります。

この講演の続きはまた次回、

店舗・商業空間デザイン展講演レポver.2 ブランドイメージを打ち出すカフェの空間づくり②

でお伝えします。Puddle加藤氏や塩田氏の考察、会場からの質疑応答も。

ぜひ更新をお楽しみに!

山翠舎のブログ

山翠舎の舞台裏ブログです。古木を使ったお店づくりのお話や、開店までのドキュメント、会社内のさまざまな動きなどを綴っています。

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