職人技が光るお店づくりの舞台裏

こんにちは。唐鎌です。梅雨入りのニュースが気になる季節ですね。いかがお過ごしでしょうか?


山翠舎では、古民家などを解体したときの古い木材、

古木(こぼく)を利用し約400軒ものお店づくりに携わっております。


長い年月を経た重厚感のある古木をあしらった店内には、

どこか懐かしさが漂い人々をほっとさせてくれますね。

どのお店づくりにもオンリーワンのストーリーがあり、

そこには職人さんのプロの技がぎっしりと詰まっています。


そこで、

今回はお店づくりの舞台裏についてご紹介します!


先日の表参道ソル・エ・テラさんの施工を例に解説していきましょう!

まだブログ記事をご覧になっていない方はコチラ↓


~古木選びから施工まで~


1、古木の選定

当社は長野県大町市に4000本もの古木を保管する大きな倉庫を持っています。

連日遠方から多くの見学者が訪れ、

圧倒的な古木の量やスケールの大きさに皆さん驚きます。

お店づくりについて打合せを進めていく中で、

この大町倉庫で実際に使用する木を選びます。


デザイナーさんが古木を選び、設計に反映させることが多いですが、

お施主様自身で選ぶこともあります。

この中から選ぶなんて宝探しのようです☆


2、工場での加工

選定された古木は工場で加工されます。


倉庫に置かれている古木は、もともと柱や梁、床板として長年家を支えていた木材です。

よって、囲炉裏でいぶされ、すすで真っ黒になったまま保管されています。


選ばれた古木は、丁寧に丁寧に磨かれることで独特な色つやが出て、美しい表情が浮かび上がるのです。

塗装をしているのではありませんよ。


また、デザイナーさんが設計した図面をもとに長さ調整などを行います。


ちなみに、ソル・エ・テラさんの場合。

柱のように垂直に立てた太い古木は、

もともと柱ではありませんでした。

古民家の屋根を支えるために、

柱と柱を横方向に渡す梁(はり)として使われていたものです。


このどっしりとした太さと曲線を生かして、あえて垂直に立てて設置しています。

存在感がグッと増しますね。


また、左右からも1本ずつ差し込むように組んでいます。


これらは、デザイナーさんの設計図をもとに

古木を事前に工場で加工したあと、実際の現場で施工を行うのです。



3、現場での施工


いよいよ古木が実際の店舗へ運ばれて設置されます。


工場で加工した古木は、現場での微調整が必要です。

この現場では、

垂直に立てている古木が床から天井にピタリとはまるよう、

このように職人さんが端を少しずつ削っています。


何やらでかいハンマーのような道具を使っていますね。

これは「かけや」と言って、これで梁や柱を組むときに使われる道具です。

こんなに大きな道具をふらつかずに扱うのも簡単なことではありません。


長い年月建物を支えてきた古木は本当に重い!

成人男性3人がかりで取り付けていますね。皆さん日頃から鍛えられていて肩や腕がムキムキです!


また、横から差し込む部分は、木の断面に合わせて鑿(のみ)で削っていますね。

ピタッと隙間なく組み合わさるように削るには職人さんの腕が光ります。


無事に設置できました。

一仕事終えたあとの皆さんはとてもイイ表情です!

簡単にですが古木選びから施工までを説明しました。


これはほんの一例です。


一つの工程だけでももっともっと奥が深い世界が広がります。


切り揃えられた木材だけを扱えばこんなに手間暇をかけることなく施工が可能です。

しかしながら、古木そのものの形を生かして、

丁寧な手仕事を加えるからこそオンリーワンの空間ができあがります。


10軒あったら10通りのお店づくりがあり、それぞれにストーリーがあります。


この記事を読んでくださり、お店づくりの見方がほんのちょっと変わっていただけたら嬉しいです☆


その他の施工事例はこちら↓

山翠舎のブログ

山翠舎の舞台裏ブログです。古木を使ったお店づくりのお話や、開店までのドキュメント、会社内のさまざまな動きなどを綴っています。

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